監督が刑務所に出向き服役中の選手と契約…野球でアメリカンドリームをつかんだ男たち
                        
 当時16歳だったサンチェスは1Aから始めて、22歳のときマーリンズでメジャーデビュー。その年のポストシーズンでダルビッシュ(当時カブス)と投げ合って勝利投手になり、その名を知られるようになった。
■刑務所から始まった成功物語
 歴史上、「その場入団」で最も有名なのは、1973年にデトロイト郊外のジャクソン刑務所に服役していた窃盗犯ロン・ルフロアが、タイガースタジアムでビリー・マーチン監督と球団幹部が見守る中で、打撃、守備、走塁のテストを受けて入団を許可されたケースだ。入団テストは型破りな同監督がジャクソン刑務所に出向いてルフロアに面会後、司法当局に働きかけて外出許可を出してもらったことで実現したものだ。
 それだけでなく、同監督は司法当局からルフロアが5年から15年の不定期刑を宣告されて服役中で、球団が身元保証人になってくれれば、更生のモデルケースとしてただちに出所させる方針であることも知らされていた。
 契約金5000ドル、月給500ドルという条件で入団したルフロアは1Aからキャリアをスタートさせ、トントン拍子に出世。翌74年、早くもメジャーに到達した。76年にはオールスター出場を果たし、78年には68盗塁、80年には97盗塁をマークして盗塁王に。彼の成功物語はCBS放送でテレビドラマ化されたため、ルフロアは全米にその名を知られるようになった。
                    

                                    
                                        


















