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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

その死から38年…瀬古利彦を育てた執念の勝負師・中村清を思う

公開日: 更新日:

■生理が止まれば練習を禁じた

 思い出す逸話がある。門下生に紅一点の佐々木七恵(故人)がいた。岩手の教員から押し掛けるように上京した女子マラソンの先駆者がこんな話をした。

 最近も問題になっているが、女子マラソンの選手の多くが無月経だった。中村は佐々木に常に生理のことを聞き、生理が止まれば練習を禁じたという。

「女子マラソンの競技者です。女性でなければいけません」

 90年代初頭、日本陸連はアンケート調査でそうした実態を把握しつつ、情報を握り潰した。大正2年生まれの男の言葉は、果たして古かったのだろうか。

 通夜の晩、弟子たちは魚籠にあった山女を食し供養したそうだ。38年前のことである。

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