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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大谷翔平は「日高見の王子」だった? 佐々木朗希に麟太郎…怪物を生む岩手県の謎に迫る

公開日: 更新日:

 異常な暑さが続く。夏の甲子園、地方大会の関係者は大変だろう。

 野球といえば、大谷翔平だ。NHKニュースは大谷で始まり、本紙を含め新聞もネットもこまごまと語る。ただ、誰も触れず答えを出さないことが一つある。なぜ岩手県か?

 大谷は、旧制中学時代から野球が盛んだった盛岡や一関ではなく、花巻東高の出身で、先輩にメジャーで活躍している菊池雄星がいる。やがて海を渡るロッテ佐々木朗希は「奇跡の一本松」(陸前高田)出身、現在進行形では佐々木麟太郎という怪物君も話題だ。岩手から大物がゾロゾロ……花巻東が菊池を擁して春の決勝まで進んだ09年、佐々木洋監督になぜか聞いたことがある。神奈川で指導していた監督はこう答えた。

「新幹線でしょう。若い指導者が郷里に戻りやすくなった」

 2011年に時速300キロの「はやぶさ」が登場し、いまや東京-盛岡間は2時間12分。確かに指導者の存在は大きいが、それだけでは逸材続出の説得力に乏しい。野球に禁物の「タラレバ」の話をしよう。

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