慶応ブランド上等! 全国の野球学校は「高校野球の常識」を覆されて黙っちゃいない

公開日: 更新日:

 甲子園球場をギッシリ埋めた満員のスタンドは、107年ぶりの歓喜に沸いた。

 決勝が23日に行われ、慶応(神奈川)が史上7校目の夏連覇を狙った仙台育英(宮城)を破り、1916年以来となる2度目の優勝を果たした。

【写真】この記事の関連写真を見る(52枚)

 慶応は初回、1番・丸田湊斗(3年)の大会史上初となる決勝戦の先頭打者本塁打などで2点を先制すると、二回にも丸田の適時打で1点を加えた。その後1点差に迫られたものの、五回に打者一巡の猛攻で5得点。8-2とリードを広げ、そのまま逃げ切った。

■「可能性と多様性が示せれば」

 試合後、森林貴彦監督(50)は「観客のみなさんのおかげで実力のプラスアルファが出せたんじゃないかと感謝しています」と涙を拭い、「うちが優勝することで、高校野球の新たな可能性とか多様性とか、そういったものを何か示せればいい。日本一を目指して、常識を覆すっていう目的に向けて頑張ってきたので、うちの優勝から新しい人が生まれてくることがあれば、それは本当にうれしい。高校野球の新しい姿につながるような勝利だったんじゃないかなと思う」と結んだ。

 高校野球関連の著書が多数あるスポーツライターの元永知宏氏はしかし、「『文武両道』と言われますが、慶応にも推薦入試があって、2年生エースの小宅雅己、4番や5番を打った加藤右悟は、ともに栃木の県央宇都宮ボーイズ出身。彼らは中学3年の春に全国制覇しています。小宅は何十校と誘われる中、慶応に推薦入学した。実際は野球がうまくて成績もいい選手が集まった“野球学校”の側面があることも否定できないでしょう」と指摘する。

 実際、関東のある強豪校の監督は、「選手の自主性に任せると言えば聞こえはいいですが、慶応にはそれだけレベルの高い選手がそろっているからこそ。今年のメンバーだって関東近県だけではなく、愛知県出身選手だって2人いますから」と言うのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  3. 3
    木村拓哉「Believe」は視聴率もレビューも天海祐希ファン次第? 夫婦役に《違和感》批判の壁

    木村拓哉「Believe」は視聴率もレビューも天海祐希ファン次第? 夫婦役に《違和感》批判の壁

  4. 4
    「嵐」新会社設立で企業はCM契約に虎視眈々も…故ジャニー喜多川氏との“広告料の約束事”はどうなる?

    「嵐」新会社設立で企業はCM契約に虎視眈々も…故ジャニー喜多川氏との“広告料の約束事”はどうなる?

  5. 5
    眞子さんが小室圭さんと手にした“40平米の自由”…ジーンズにTシャツの質素な装いがメインに

    眞子さんが小室圭さんと手にした“40平米の自由”…ジーンズにTシャツの質素な装いがメインに

  1. 6
    何でもかんでも旧ジャニーズを叩けばいいってもんではない…FCで数百億円の儲けは出ない

    何でもかんでも旧ジャニーズを叩けばいいってもんではない…FCで数百億円の儲けは出ない

  2. 7
    自民「補選全敗」効果で政倫審が再始動 二階・萩生田・杉田ら“ケタ違い”裏金議員への追及が始まる

    自民「補選全敗」効果で政倫審が再始動 二階・萩生田・杉田ら“ケタ違い”裏金議員への追及が始まる

  3. 8
    小室圭さん“年収倍増”報道で《お前らが努力しなかった10年で年収3800万円になった》投稿が話題

    小室圭さん“年収倍増”報道で《お前らが努力しなかった10年で年収3800万円になった》投稿が話題

  4. 9
    元Kis-My-Ft2“辞めジャニ”北山宏光の大誤算…ソロコンサートのチケットが売れない!

    元Kis-My-Ft2“辞めジャニ”北山宏光の大誤算…ソロコンサートのチケットが売れない!

  5. 10
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽