ラグビーW杯 日本は難敵サモアに辛勝も「ボーナスPなし」の痛恨…決勝T進出の条件は?

公開日: 更新日:

 ラグビーW杯プールD組の日本(世界ランキング13位)が、日本時間29日午前4時開始のサモア戦(同12位)に28ー22で勝利。終盤の猛追に耐え、なんとか逃げ切ったが、4トライ以上に与えられるボーナスポイントを逃したことが10月8日のアルゼンチンとの最終戦にどう影響するか。ラグビー取材歴30年以上のスポーツライター・永田洋光氏が、サモア戦の勝因とともに解説する。

 ◇  ◇  ◇

 ジャパンが2大会連続ベスト8へ第一関門をクリアした。難敵サモアを28-22と破っての勝利。しかし、道は険しかった。

 ジェイミー・ジョセフHCは、先発15人中11人を前回大会を経験したメンバーで固めた。試合直前にSH流大がメンバーから外れ、斎藤直人が入ったためにW杯未経験者は5人に増えたが、意図は明白。手堅くゲームを進めて主導権を握り、サモアの焦りを誘う。そして、終盤に若く攻撃的な選手を投入して一気に突き放すプランだった。

 前半はもくろみ通りだった。

 13分には、先発FBで起用したレメキ・ロマノ・ラヴァがサモアのディフェンダーを個人技で打ち破って大きく前進。FLピーター・ラブスカフニのトライに結びつけた。PGを加えた直後の32分には、スクラムから斎藤が走ってサモアの防御を引きつけ右に展開。最後は左へボールを動かしてFLリーチマイケルがトライを挙げ、SO松田力也がコンバージョンを決めて17-3と大きくリードした。

 イングランド戦と同様に堀江翔太を先発HOに入れたスクラムは安定して2つのトライの起点になり、松田のキックも3回すべて成功とプラン通りの展開だ。

 後半立ち上がりには、サモアの選手が危険なタックルで退場となり、人数的に優位に立ったジャパンが25-8と大きくリードした。だが、安心して見ていられたのはこのあたりまで。

 数的不利に追い込まれたサモアは、強いランナーが力で前進し、2トライを返す。最後は守り切ってなんとか勝利を挙げたが、ジャパンは獲得できそうだったボーナスポイントを得られず、4ポイントの勝利に終わった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然