琴桜に「中途半端」の指摘…素材は一級品のサラブレッドに欠けているもの

公開日: 更新日:

琴桜(大関/26歳・佐渡ケ嶽部屋)

 12日に初日を迎えた大相撲5月場所。先場所、110年ぶりの新入幕優勝を果たした尊富士は休場となったものの、苛烈な賜杯争いが予想される。果たして、誰が頂点に立つのか。優勝候補力士の抱える強みや課題を追った。

  ◇  ◇  ◇

 5月場所を前に元横綱の祖父が名乗った「琴桜」を襲名。実に50年ぶりにそのしこ名が番付に復活した。父の琴ノ若(現佐渡ケ嶽親方)も元関脇。親子3代、三役以上を務めるサラブレッドで、ファン人気も高い。

 相撲強豪校の埼玉栄高を経て、2015年に実父が師匠を務める佐渡ケ嶽部屋に入門。当時から「父以上の力士になれる」と期待が高く、実際に父の番付を抜いたように素質は一級品だ。

 転機となったのは、埼玉栄3年時だ。将来のプロ入りを目指していた琴桜だが、入門前は父からあまり厳しく指導されず、いわゆる「お坊ちゃん気質」。埼玉栄でも2年生までは、のんびり屋で試合でも弱く、団体戦のレギュラーから外されたほどだった。

 それが3年になって主将に指名されると、精神面も徐々に成長。「素質は十分あっただけに、本人も『自分ならプロでも活躍できる』と思い込み、必死にならなかったのでしょう。でも、主将という責任感ある立場になったことで、ようやく『このままじゃいけない』と自覚したのではないか」とは、タニマチ筋だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝