アーティスティックスイミング 3人の五輪メダリストが語る注目ポイント…ルール変更で生まれた“新しさ”

公開日: 更新日:

「ASは“アーティスティック”と冠しているだけに芸術性を保つ必要があり、これも採点要素です。ウオークオン(登場から飛び込むまで)から採点されるようになったため、各国は項目ごとに自分たちの掲げるコンセプトを組み体操などでアピールする。もちろん、ユニホームもテーマに沿ったものを着用しています。登場シーンから各国の表現したいことを推測して、演技を見ながら意図をくみ取っていくとより一層、面白いと思います」

 三井氏が付け加える。

「ASは技ごとに細かく難度が決められているから、高得点を狙おうとすると各チームが似たような構成になりがちです。だからこそ他と差異をつけるために可能な限り個性を出そうという傾向にあり、結果的に新しい技や表現方法が次々に誕生しています。その“新しさ”にも注目してほしいですね」

 2人の意見に同調しながらも、別の新しさに目を向けているのが箱山愛香氏だ。今大会から1チーム2人まで男子の参加が可能になったことを挙げ、こう話す。

「日本は女子のみで出場しますが、男子が参加できるようになったのは非常に革新的です。男子がリフト(ジャンプ台の役割)をしたら跳ぶ高さも段違いで、よりインパクトのある演技ができる。どこの出場国が男子を入れるか現時点では分かりませんが、目を光らせておきたいですね。とはいえ、男女混合チームは一長一短。手足の筋肉の付き方が違うから、同調性の部分でマイナスになる可能性があります。女子だけでも、混合でも、どちらが有利不利ということはないので、それぞれの違いや表現の幅を感じてもらいたいです。また、五輪に導入されるチームのARは必見です。多種多様なジャンプの大技が詰め込まれているから迫力満点。高さやスピードが格段に向上していて、ジャンパーが空中で体をひねりながら他の選手を飛び越えたりと、これまでの常識では考えられなかったような大技を連続で見せてくれます。誰もが競技の進化を体感できるし、初めて見る人もきっと度肝を抜かれるはずです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった