ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

公開日: 更新日:

 5日、ソフトバンクの野村大樹(23=内野手)と西武の斎藤大将(29=投手)のトレードが両球団から発表された。

 野村は早実高から2018年ドラフト3位で入団。今季はわずか2試合の出場に留まり、自慢の長打力を一軍で発揮できないシーズンが続いていた。

 一方、斎藤は明大から17年ドラフト1位で入団。即戦力と期待されていたが、1年目に主に中継ぎで16試合に登板したのが自己最多。20年から一軍出場はゼロで、21年には右肘靭帯を再建するトミー・ジョン手術を受け、22年からは育成契約となっていた。

 同一リーグで、しかも支配下選手と育成選手の異例トレード。首位を独走するソフトバンクがあまりにも打てない西武を憐み、格差トレードに応じたのか。

「いや、野村もソフトバンクにいても戦力外通告を待つだけという立場だった。いずれも一軍でのチャンスがないという点では、さほどの格差ではない。西武から獲得した斎藤は使えれば儲けもの。むしろ、ソフトバンクの本当の狙いは一軍枠の空きを作ることでしょう。昨季まで二軍の指揮を執っていた小久保監督は若手の抜擢に熱心。緒方、川村、仲田の育成3選手を春季キャンプから一軍に帯同させ、3月には全員を支配下登録した。6月には柳田離脱の影響もあるが、19年ドラ1で育成落ちしていた佐藤直を再び支配下登録。ファームには昨年育成ドラフト10位指名ながら、二軍で6勝している前田純など、好素材がゴロゴロいます。彼らのために椅子を空けて、チームの競争力をあおり、活性化を図りたいのでしょう」(球団OB)

 ソフトバンクは5日時点で支配下登録選手は65人。枠は残り5つある。右足太もも裏の肉離れの柳田は今季絶望とも言われている。主力にケガ人が出たら、チーム全体でカバーしないといけない。その「保険」の意味合いもありそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  3. 3

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  3. 8

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  4. 9

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  5. 10

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃