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春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

五輪の肥大化を解消する唯一の妙案 渡辺守成氏「五大陸同時開催案」に世界のメディアが仰天した

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小都市、小国家での開催も可能に

 そして最年長候補者のコーもオリンピックバリューを高める中でオリンピックのブランド力で「未開拓のアフリカやアジアの市場に参入する」ことを考えている。都市型スポーツを取り込み、若者の五輪への関心を高めることに成功したことでデジタル化を進めAIを駆使し、さらに「発展する」オリンピックを描く。実際、36年以降のオリンピックには多くの国が関心を示している。インド、インドネシア、南アフリカ、サウジアラビア、カタール、韓国など、日本メディアが立候補都市の減少をほのめかすのと現実は違っている。

 一方でこれらの国はかつて1964年の東京五輪がそうであったように、オリンピックが巨大であるが故の利益、五輪開催による経済復興やインフラ整備などをもくろんでいるのだ。それが果たされた後の問題、負のレガシーには思い至っていない。それこそバッハが提起したオリンピックの課題であった。この論点に爆弾とも思われる提案をしたのが、他ならぬ日本人初のIOC会長選立候補者、渡辺守成である。

 彼の五大陸同時開催提案には世界のメディアも仰天した。私もそうだった。五輪は選ばれた唯一無二の都市で開催されることで世界の衆目と富を集約してきた。このビジネスモデルを崩す発想には思い至らなかった。

 オリンピックシンボルである五輪は五つの大陸が手を取り合っている姿を象徴し、スポーツで平和をつくる五輪理念そのもの。五大陸5都市で同時に五輪を開催し24時間中継して世界を一つにできれば、それぞれの人々にとって五輪が同じ時にすぐそばにある。同時性と同地性。スポーツに共感しオリンピズムが実感できる。各都市10競技で行えば、5都市で50競技になるが、一都市開催経費は5分の1になる。小都市、小国家での開催も可能になる。

 五輪の肥大化を解消する妙案は渡辺案のみ。IOC委員の太平の眠りを覚醒するか?

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