著者のコラム一覧
菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

試合途中にトレード、1日に異なる2球団で安打を放った 大リーグ唯一の「珍・怪」記録

公開日: 更新日:

 大谷翔平はこの珍事を知っているだろうか。

 1982年8月4日。メッツのジョエル・ヤングブラッドは、敵地・シカゴで行われたデーゲームのカブス戦に「3番・中堅」で先発出場した。三回表に2点タイムリーを放つと、四回裏の守備につく直前、監督にこう呼び止められたのだ。

「おい。おまえ、トレードだ」

 そして、監督はこう続けた。

「相手がすぐに来いとさ」

 トレード先はエクスポズ(現ナショナルズ)。フィラデルフィアに遠征中だった。ナイターでフィリーズと試合を行う準備をしている新天地に向かうべく、ヤングブラッドは球場からタクシーに飛び乗ってホテル→球場→空港へ。

 ホテルから球場に戻ったのは、忘れたグラブを取りに行ったからである。

 フィラデルフィアの球場に到着したのは夜9時半ごろ。ベンチに入ると、新たなボスとなった監督が「待っていた。すぐ守ってくれ」。これが六回裏。七回表に打席が回ってきて、移籍初安打を放った。大谷がこんな目に遭ったら、大騒動のショータイムだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 8

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  4. 9

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  5. 10

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方