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菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

1936年は「二・二六事件」が起こり、7球団が出揃い、長嶋茂雄が産声を上げた

公開日: 更新日:
若林忠志(左)と景浦将(C)共同通信社

 プロ野球は今年、公式戦がスタートしてから90年目になる。

 その1936(昭和11)年は、あの内閣要人暗殺の「二・二六事件」が起きている。歴史の転換期ともなる不穏な世相の中、プロ野球界はどう行動していたのだろうか。

 振り返ってみると、事件の影響はほとんどなかったことが分かる。1月に名古屋とセネタースと阪急、2月に入って大東京、事件の2日後の28日に金鯱がそれぞれ創立。前年までに巨人と阪神が球団を創設しているから7球団が揃った。

 2月9日に日本初のプロ球団同士の試合、金鯱-巨人が名古屋の鳴海球場で、15日には関西での初対戦、金鯱-セネタースが宝塚球場で行われている。その間の12日には巨人が第2回米国遠征に出発。巨人は1月に監督更迭などの“連判状事件”を起こしており、遠征中に監督が交代するというハプニングがあった。

 日本職業野球連盟は事件の真っ最中に規則草案の会議を開催。会議は2月25日に始まり、事件当日は流会したものの、東京(市)に戒厳令布告の翌27日に続開したそうである。事件などなんのその、といったところか。成案の中には、「 

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