V射程圏の若元春 素質は3兄弟で1番、天性の相撲力は《解析不能》《相撲力が強いとしか…》
戦国時代の大名、毛利元就の「三本の矢」の逸話で語られる3人の息子のうち、もっとも戦(いくさ)に強かったのが次男の吉川元春だという。
その名をしこ名にしているのが、荒汐部屋の3兄弟の次男、若元春(31)である。
今場所は琴桜、大の里の2大関に加え、先場所優勝同点の王鵬を撃破。3日目は横綱豊昇龍に敗れたものの、内容では勝っていたともっぱらだ。昨13日も大栄翔の突き落としに屈したが、相手の持ち味である押し相撲でも優勢に立っていた。
もっか3勝2敗で、トップは大の里ら1敗の7人。十分、優勝を狙える位置にいる。
3兄弟のうち、最初に新入幕を果たしたのは末弟の若隆景(30)。2019年11月場所で新入幕を果たし、22年3月場所で初優勝。若元春は同年の1月場所が新入幕だった。
低い姿勢で下からの力強い攻めを得意とする若隆景に対し、若元春は左四つを型として持っているものの、突出した何かがあるわけではない。
元大関の琴光喜はかつて日刊ゲンダイの取材に、若元春の強さについて、こう語っていた。