著者のコラム一覧
菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

万引で逮捕された通算350勝・米田哲也から直接聞いた幻の巨人移籍

公開日: 更新日:

 晩節を汚した、とはこのことだろう。史上2位の通算350勝を挙げた米田哲也の万引逮捕の愚行である。その理由が“生活苦”とは……。

 その米田から直接、こんな話を聞いたことがある。

「オレな、巨人にトレードで移籍するはずだったんだ。信じられないだろうけど。移籍発表の寸前でひっくり返った。ある人に止められてね」

 巨人V9の後半のことだったという。巨人の9連覇は1965(昭和40)年から始まったのだが、プロ入り1年目の62年から5年間で101勝(3度の20勝)したエースの城之内邦雄が67年から下り坂に差しかかり、金田正一は400勝を挙げたV5の69年限りで引退した。堀内恒夫と高橋一三が頑張っていたものの、投手陣に不安があった時期である。

 常勝巨人を維持するため、監督の川上哲治は王貞治長嶋茂雄の後を打つ5番打者を他球団から獲得していた。

 西鉄の高倉照幸、東映の吉田勝豊、広島の森永勝也らの一流打者である。同時に投手補強に手を伸ばしていたのは当然だった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波