韓国勢の失墜を尻目に日本勢が米ツアー席巻の理由…全米女子は3人が優勝争いの末、トップ10入り
【全米女子オープン】最終日
大魚を逃した。
世界最高峰の大会で、西郷真央(23)、渋野日向子(26)、竹田麗央(22)の日本選手3人が首位から2打差の通算5アンダー3位で発進。優勝争いを演じたが、18番グリーンで笑ったのは、同7アンダーのマヤ・スタルク(25=スウェーデン)。ビッグタイトルと優勝賞金240万ドル(約3億4600万円)を手にした。
この日も名物の強風は吹かなかった。それでも「イジメ」とも思えるフェアウエーの傾斜にピン位置、グリーン回りの刈り込みに日本選手も泣いた。
僅差の戦いは前半から重苦しい雰囲気が続く。バック9で最初に息切れしたのは4月のシェブロン選手権に続き、メジャー2勝目を狙った西郷。12番(パー4)で第1打を右ラフに曲げてボギー。首位に5打差の通算4アンダー4位に後退する。渋野も15番(パー4)の第2打をグリーン右下ラフに落としてのダブルボギーで4位グループに落ち、「優勝」の2文字が遠のく。
首位のスタルクを追えるのは竹田だけ。14番(パー5)のバーディーでネリー・コルダ(26)と6アンダー2位で並んだが、17番(パー4)のボギーで4打差。ここで“終戦”となった。
竹田はコルダと並び2打差の通算5アンダー2位、西郷は同4アンダー4位タイ、昨年2位の渋野は同3アンダー7位タイだった。
それにしても米女子ツアーにおける日本勢の躍進は目覚ましい。
渋野が2019年の全英女子で日本勢42年ぶり2人目のメジャー制覇を成し遂げると、21年の今大会では笹生優花(23)が畑岡奈紗(26)をプレーオフで下し優勝。昨年の同大会で2勝目を挙げ、約1カ月後のエビアン選手権では古江彩佳(25)が劇的な勝利を収めた。ちなみに古江は昨季、日本勢で初めてシーズン平均ストローク1位の「ベアトロフィー」を獲得した。
今年に入っても「ジャパン旋風」の勢いは衰えず、ツアールーキーの竹田が3月のブルーベイLPGAで勝ち、西郷はメジャー初戦のシェブロン選手権でツアー初V。先週のメキシコ・リビエラ・マヤ・オープンではルーキーの岩井千怜(22)が圧勝した。
並木俊明プロが言う。