韓国勢の失墜を尻目に日本勢が米ツアー席巻の理由…全米女子は3人が優勝争いの末、トップ10入り

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「韓国は昔ほど選手育成への熱量がない」

「今の若い女子プロはスイングがオーソドックスで、トレーニングをやっているので体幹もしっかりしている。ボールは曲がらず、飛距離でも欧米選手に大きく離されることはない。飛距離が出なくても古江のようにユーティリティーを武器に対等に戦う。大会ごとに異なる芝のグリーンなどに慣れるのも早い。国内ツアーで4日間大会が増えたこともあり、最終日に息切れすることもない。古江や岩井が参戦1年目に勝ち、日本人がこれだけメジャーに勝つシーンを見れば、それが当たり前だと思うし、ライバルたちは『私だって』と刺激になる。この流れは当分続くでしょう」

 そんな日本勢と対照的なのが隣国の選手たちだ。米女子ツアーといえば、かつては韓国勢の独壇場だった。1998年に朴セリが全米女子OPと全米女子プロの2冠を取り、韓国にゴルフブームが巻き起こり、申ジエ、朴仁妃、イ・ボミチェ・ナヨンといった88年前後生まれの“朴セリキッズ”が同ツアーのメジャーや冠大会を勝ちまくった。00年以降、5つのメジャー大会で延べ29人もの優勝者がおり、15年、17年、19年には年間15勝も挙げ、韓国勢が世界ランキングの上位を占めていた。

 ところが、コロナ禍直前の20年以降、メジャー覇者はたった3人。現在、世界ランクのトップ50には13人(日本勢9人)しかいない。韓国のスポーツ事情に詳しい国際ジャーナリストの太刀川正樹氏が言う。

「朴セリの活躍を見た親たちは親戚らから莫大な借金をしてでも子供をトッププロにするため必死だった。ゴルフを国威発揚に利用したい国も選手育成に多大な資金を投入し、国家代表予備軍制度をつくり、選ばれた者が国の代表になった。それが、朴セリキッズの申ジエや朴仁妃たちです。国が育てた選手は海外メジャーで優勝したり賞金女王になって多くの結果を残したが、今の韓国は昔ほど選手育成に対する熱量がありません。昨年の韓国女子ツアーの賞金ランク上位4人は日本円で1億円以上獲得したように、国内でも十分稼げるようになり、複数のスポンサーもつく。オフはタニマチとプレーすれば、一度に数百万円手に入る。今でも米ツアーを目指す選手はいますが、昔は『1位でなければ意味がない』と言われ、親に2位のトロフィーを捨てられた選手はたくさんいた。だから選手は家庭を背負い、『絶対に世界のトップになるんだ』という強い気持ちで強くなった。そういう時代ではなくなったのです」

 日本には“米ツアー予備軍”がわんさかいるが、栄枯盛衰は隣国だけの話ではないかもしれない。

  ◇  ◇  ◇

 海外で女子プロが目覚ましい活躍を見せる一方、国内では女子ゴルフ協会の杜撰すぎるガバナンス体制が波紋を広げている。ツアー開幕前から世間を騒がせた不倫スキャンダルをきっかけに、「身内びいき」や「責任放棄」といった問題が次々と露呈した。いったい協会内では何が起きているのか。その仰天の実態とは。

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