大谷翔平が押し切った「投手復帰前倒し」の波紋…本人にもドジャースにも悪影響の懸念
他の選手にシワ寄せ
「かつてのエンゼルスはまさに大谷のチームだった。フロントも首脳陣も本人の意向を最優先していた。大谷以外のスターといえば、MVPを3度受賞したトラウト(33)くらい。飛び抜けた存在だったから、それでもチームに波風が立つことはなかった。けれども、スター選手揃いのドジャースでは波紋も生じる。現に大谷が加入する以前の看板選手だったベッツ(32)は大谷の加入で打順が1番から2番に。自身も含めたMVPトリオの大谷とフリーマンの2人にはさまれ、打席で迷いが生じることがあるといいます。自分の前を打つ大谷が申告敬遠で歩かされることもあり、胸中は複雑でしょう」
大谷は本来なら、あと1回、ライブBPをやる予定だった。つまり、この日の先発は、言ってみれば投手復帰に向けた練習の一環だ。1イニング予定のブルペンデー。今後はイニングを徐々に増やしていくとはいえ、公式戦を練習代わりにするなんて異例も異例だ。
前出の特派員がこう言う。
「投打の二刀流は、ただでさえ波紋を呼ぶ。投手と打者、ひとりで2人分の仕事をするわけで、大谷が投打の同時出場をすることによって、出場機会を失う選手も出てきます。打者兼任の大谷がローテに加入すれば、体調次第で登板間隔も不規則になり、他の先発にシワ寄せがいく。まして大谷は今後、徐々にイニングを増やしていく予定。リリーフ陣の起用法はいよいよ流動的にならざるを得ない。投手も兼任することによって、大谷の打者としてのパフォーマンスが落ちたり、チームの負けが込むようなことにでもなれば、ただでさえプライドの高い投打の主力選手たちは面白くないでしょう」
大谷が打つだけでなく投手陣の苦しい台所事情を救い、ドジャースがワールドシリーズ連覇に向けて加速すれば万々歳だが、今回の投手復帰前倒しが必ずしもプラスに作用するとは限らないというのだ。
そもそも大谷の前回の右肘手術明けの20年は投手として2試合に先発して0勝1敗、防御率37.80、右屈曲回内筋群を損傷するなど散々な結果に終わっている。
大谷の早期投手復帰が本人やチームにとってマイナスにならないか、心配にもなってくるのだ。
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ところで、いまや本場米国でメジャーリーグの顔となった大谷だが、2028年ロス五輪に本人は乗り気でも「出場できない可能性」が高いという。いったいなぜか。どうして大谷は大舞台に立てなさそうなのか。その「3つの理由」とは。
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