藤川球児「火の玉ストレート」誕生の裏に2人のキーマンがいた

公開日: 更新日:

 この年、久保田が故障離脱すると、抑えに抜擢され、07年には46セーブで初の最多セーブに輝いた。

 私が阪神のコーチになった03年オフ、まさかこんな投手になるとは想像もできなかった。といっても、山口コーチと藤川の鳴尾浜(二軍練習場)でのマンツーマンレッスンの印象はあまりない。山口コーチは後に「球児とは密着した師弟関係ではない。彼の分岐点にたまたま私がいただけ。阪急コーチ時代は教え過ぎて失敗したから阪神では選手の『鏡』になろうと思っていた」と語っていた。選手が困った時だけ手を差し伸べる。教え過ぎない指導は非常に勉強になった。

 私は07年から「球団本部・編成部」への異動を命じられた。

▽なかお・たかよし 1956年2月16日、兵庫・北条町(現・加西市)生まれ。滝川高-専大-プリンスホテル。80年ドラフト1位で中日入団。1年目から正捕手として82年のリーグ優勝に貢献してMVP。88年オフに交換トレードで巨人へ。89年に日本一。92年に移籍した西武で93年に現役引退。3球団で日本シリーズに出場。走攻守三拍子揃ったプレースタイルで、「捕手の概念を覆した捕手」と言われた。引退後は西武、オリックス、阪神などでコーチなどを歴任。2009年から16年まで阪神スカウト。17年3月に専大北上高監督に就任。18年春、秋に東北大会に進出。19年11月に退任した。

  ◇  ◇  ◇

 当連載「大人気連載プレイバック」は火・水・木曜公開。また、当記事ページ下部の関連記事からは、中尾氏による「革命捕手が見たプロ野球」(2022年)の続きを読むことができる。プロ野球ファンは要チェックだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  3. 3

    ヤクルト青木“GM”が主導したバランスドラフトの成否…今後はチーム編成を完全掌握へ

  4. 4

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  5. 5

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  1. 6

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  2. 7

    高市首相が狙う悪夢の“強権官邸”復活…安倍時代の再来へ「経産-警察ライン」で恐怖政治

  3. 8

    最終盤の宮城県知事選は仰天の展開! 高市首相応援の現職vs昭恵さん&参政党支援の元自民議員でデッドヒート

  4. 9

    小川晶市長「ラブホ密会」の震源地…群馬・前橋市のナイトスポットで“まさかの声”続出

  5. 10

    タレント出身議員の“出世頭” 三原じゅん子氏の暴力団交遊疑惑と絶えない金銭トラブル