ドジャース大谷翔平「二刀流」の相乗効果…100マイルへの執着の裏に“打者大谷”の目線
大谷翔平(31=ドジャース)が、日本時間17日のフィリーズ戦に今季13試合目の先発。
フィリーズは目下ナ・リーグ東地区首位で2年連続地区優勝、4年連続プレーオフ出場へ視界良好の強豪だ。大谷と本塁打王を争うシュワーバー(32)や打率リーグトップのターナー(32)のいるチームでもある。
大谷は2度目の右肘手術明けにもかかわらず、投手復帰後はメジャーでの自己最速となる163.6キロをマークするなど、コンスタントに160キロ台の速球を連発。肘に最も負担をかけるのはスプリットでもスイーパーでもなく球速ということは自身も認めているのに、速球の平均球速は手術前より2キロもアップした。
大谷はそもそも球速にこだわりがある。高校時代(花巻東)から人より速い球を投げたいと考えていた。
それもこれも打者が最も苦にするのは速球派の投手ということを、身をもって経験しているからではないか。
例えば13日のジャイアンツ戦ではメジャー通算265勝、速球が武器のバーランダー(42)に2打数無安打、2四球(うち1つは申告敬遠)。初回から3打席連続で2球で2ストライクと追い込まれ、結果を出せなかった。
5日のパイレーツ戦では160キロ右腕のスキーンズ(23)に2タコ(ともに空振り三振)、1四球とほぼ完璧に抑えられた。バーランダーには通算25打数5安打(打率.200)、スキーンズは11打数2安打(同.182)と分が悪い。
メジャーを代表する速球派を打ちあぐねている一方、8日のオリオールズ戦ではメジャーで初めて対戦した技巧派の菅野(35)に対しては2打数2安打、しかも2打席連続で本塁打を放った。
大谷がまだ日本でプレーしているとき、本紙記者が160キロ超の速球を投げても打者に当てられたり、前に飛ばされたりしている点を本人に聞くと、「当てられても構わないといえば構わないですけどね。バッターをやっていても、別に当たりますから」と前置きしてこう続けた。