ドジャース大谷翔平「二刀流」の相乗効果…100マイルへの執着の裏に“打者大谷”の目線
肘に大きな負担がかかろうと…
「自分のスイングをした中で当てられているかどうかは分かりませんけど。みんな軽打しにくるので。やっぱりコツコツコツコツくれば、それは速くても当たるかなと。タイミングさえ押し込めていればファウルになるので、それで2ストライクまで追い込めれば、フォークなり、スライダーなり、真っすぐなりで、三振は十分取れるんじゃないかと思うんです」
たとえ160キロ超の速球だろうと、打者でもある自分は当てることができる。だが、自分のスイングができるとは限らない。打者にとって不利なカウントに追い込まれ、結果として打ち取られる可能性が高くなるということだ。
大谷が速球に強いこだわりがあるのは、野球を始めてからいまに至るまで投打の二刀流選手としてプレーし続けてきたがゆえ。自分が打者でもあるからこそ、160キロ超の速球が大きな武器になると身をもって感じているに違いない。
大谷は8月7日のカージナルス戦に先発、先制された直後に逆転2ランを放った。投げた直後に打席に立つ準備で心掛けていることを聞かれてこう答えた。
「基本的には投げていてもいなくても、打席とピッチングは別々で考えている。マウンドでやるべきことと、打席でやるべきことはしっかりすみ分け、切り替えながらやっていきたい」
調整やリカバリーの方法は、投手と打者で異なる。その両方をやっている大谷に関して、ドジャースナインは「彼はとにかく忙しい」と目を白黒させているという。
投げることと打つことはまったくの別物。「すみ分けて」考えるのは当然だが、打者でもあることが、投手をやるうえで大きな財産になっているようなのだ。
つまり肘に大きな負担がかかろうと、100マイル(約161キロ)超の速球にこだわるのは打者目線があればこそ。逆もしかり。投手をやっているからこそ、投手サイドに立った情報や見方を打撃に生かしているのだ。
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ところで、投打でフル回転する大谷の活躍を苦々しい思いで見つめているのが佐々木朗希ではないか。大谷はチームのために身を削り、ことあるごとに「フォア・ザ・チーム」を強調。本人にその気があるかはともかく、結果的に期待を裏切り続ける佐々木への痛烈な皮肉になっているからだ。いったいどういうことか。いま、何が起きているのか。
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