WBC侍ジャパン「投手大谷」起用をめぐりドジャース首脳陣が危惧する「100%の哲学」
シーズン途中から投げても最後はバテバテなのに…
大谷はエンゼルス1年目の2018年、最初の右肘靱帯修復手術を受けた理由についても同様の趣旨のことを話している。手術をしなくても150キロなら投げられても、160キロとなると難しい。つまり「思い切りパフォーマンスを出せなければ上達しないし、納得できないし、面白くもない」のだ。
大谷のこの思考、姿勢が投手起用に関してドジャースの首脳陣を悩ませていると、現地特派員のひとりがこう言った。
「ドジャースはワールドシリーズ制覇が最大の目標。大谷にはポストシーズンで投手としてベストのパフォーマンスを発揮してもらいたいし、興行的な意味も含めて今後8年間はずっと投打の二刀流を続けて欲しい。だからこそ肩肘に負担のかかる投手起用には慎重にならざるを得ない。昨年は6月からの投手復帰にもかかわらず、ワールドシリーズのマウンドでは肩で息をしていたほど。打者として突き抜けた活躍をしながら投手としても結果を出すのは、それだけ大きな負荷がかかるということでもある。大谷の性格からして、WBCだからといって、腹八分目の投球をするとは思えない。チームの勝利のために目いっぱい、腕を振るに決まっている。シーズン途中から投げても最後はバテバテなのに、開幕前からフルスロットルではとてもじゃないがワールドシリーズまでもたない。ドジャースが危惧しているのはそこです」
ワールドシリーズ制覇を目指す強豪チームのエース級は開幕後、いきなりエンジンを吹かしたりしない。4、5月は投球数も80球程度に制限したり、力の入れ具合をセーブしたりする。そうしなければポストシーズンまでもたないからだ。投手に専念しているメジャーリーガーですらそうなのだから、投打の二刀流の大谷が開幕前から打って投げてのフル回転ではシーズン中に歪みがきて当然だ。
実際、2023年の前回WBCでは投打に活躍してMVPを獲得、侍ジャパンに優勝をもたらしながら、シーズン中に2度目の右肘靱帯修復手術を受けることになった。
仮にWBCでの登板を許可するなら、開幕後しばらくは打者専念で肩肘を休ませるのか。それともWBCは打者に専念させるのか。常に100%のパフォーマンスを出さなければ納得できない大谷の投手起用をどうするのか。ドジャースの決断に注目だ。


















