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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大相撲の懸賞金は高い安いの問題にあらず 観客との一体感を希求する努力への対価でもある

公開日: 更新日:

 佳境に入っている全豪オープンは、男女ともトップ6シードがベスト8に進出。4大大会史上初という展開に、連日8万人近くの観客が押し寄せているそうだ。最高気温は45度だという。

 地理的な利点から、全豪は昔から日本勢が活躍した舞台だ。1995年の女子シングルスには11人も本戦出場し、伊達公子と沢松奈生子の対決もあった。時代は移り、今年は大坂なおみファッションが話題になったくらいで、それも仕方ない。大相撲の後半戦の盛り上がりと重なった。

 初場所は霧島阿炎熱海富士ら個性派が活躍し、大の里安青錦を吹っ飛ばした一番に「横綱!」と叫んだファンも多かったのではないか。昨年から続く満員御礼も納得の面白さだ。

 相撲は「世界」とか「記録」とか、曖昧なスポーツ観に囚われないのがいい。我が道を進み、それでも堂々とストーリーが国内完結するから分かりやすいのだ。その分かりやすさの象徴がチョンマゲ、フンドシ姿であり、何といっても大衆の面前で手渡される懸賞金だろう。両横綱を続けざまに倒した義ノ富士や熱海富士が、分厚い懸賞の束を両手でありがたく拝領。巨体に波打つ喜びは客に伝わり、館内に一体感が広がる……実に理にかなっている。

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