谷口彰悟〈後編〉「技術と頭の賢さを日本のために発揮して、世界を唸らせてほしい」(元筑波大サッカー部監督・風間八宏)
「今の日本代表はオドオドする選手がいない」
──3月のイングランド戦はどうでしょう?
「ハリー・ケイン(バイエル・ミュンヘンFW)もいない中でもイングランドは強かったなと感じましたけど、日本も決して歯が立たないわけではなかった。自分たちが意図して勝とうとした時、やり方はあるんだと感じました。今の日本代表は全員がそれぞれ戦い方や勝ち方を考えられる集団。(これまで)強豪を敵に回した時、オドオドする選手が数人は目についたけど、今はそういう人間はいない。CB陣も高さがあるし、多少パワープレーに来られても動じないからね。板倉、冨安、伊藤洋輝(バイエルン)、町田浩樹(ホッフェンハイム)と主力級DFがこれだけケガで離脱しても力を落とさず戦えているのは、選手個々がサッカーの戦い方をよく分かっている証拠。彰悟含めて、戦術レベルの向上を感じます」
──風間さんは2026年北中米W杯の日本代表をどう見ていますか?
「一番難しいのは4年に一度ということ。どの選手がどういう状態で挑めるか、これがカギになりますね。ただ、日本の強みは5人メンバーを入れ替えてもチーム力を維持できること。イングランド戦で(選考外の)南野(拓実=モナコ)、久保(建英=レアル・ソシエダ)がいなくても三笘(薫=ブライトン)や伊東純也(ゲンク)がシャドウに入って攻撃を活性化させたように、いい意味で絶対的な選手がいない分、組み合わせをうまく変化させながら戦える。登録26人、5人交代もプラスに働く。相手も日本をしっかり分析してくるとは思いますけど、大きなチャンスなのは間違いないと思います」
──広島時代の後輩・森保監督の能力を風間さんはどう見ていますか?
「まず人間的に強いし、自分の中で吸収するのを恐れない。意外と大胆なこともやってて、複数の代表OBをコーチに据えたのもそのひとつですね。いろんな人間の意見を受け入れて、最終的にひとつの形にしていく力は本当にすごい。新しい形のリーダーだと思います」
──最後に谷口選手への期待は?
「彼らしく技術と頭の賢さを日本のために発揮してほしい。『日本人ってこんなふうにサッカーできるんだ』と世界を唸らせてくれればうれしいですね。彰悟はつねに冷静な統率力でチームを引っ張ってくれると思います」
(聞き手=元川悦子/サッカージャーナリスト)
▽谷口彰悟(たにぐち・しょうご) 1991年7月15日生まれ。熊本市出身。大津高から筑波大に進み、14年に川崎入り。17年、18年のJリーグ2連覇に貢献して22年、カタールのアル・ラーヤンに移籍。24年7月にベルギー1部シントトロイデンに移籍した。15年3月、日本代表に初招集されたが、定着したのは22年以降。同年のカタールW杯では4試合すべてに出場。23年6月のエルサルバドル戦で代表初ゴールを決めた。
▽風間八宏(かざま・やひろ) 1961年10月16日生まれ。静岡市出身。静岡商高から筑波大。在学中の80年に日本代表に招集された。卒業後は日本リーグに進まずに5年間、ドイツの2部、3部リーグでプレー。89年に帰国してマツダ(現広島)に入団し、J開幕戦(93年5月16日)に日本人Jリーグゴール第1号となった。95年に現役引退。桐蔭横浜大、筑波大、川崎、名古屋で監督を歴任。23年11月、関東リーグ1部・南葛SCの監督とTDに就任した。



















