12球団が「観客の暑さ対策」にせっせと励むワケ 西武が好例、親切ではなく立派な“経営戦略”
金額は非公表ですが、2年間の初期投資は億単位でも驚きません。減価償却や保守、水道光熱を含む年間負担も数千万円規模でしょう。それでも1000人の離脱を30試合防げば、先ほどの計算で1億2000万円。安全対策としてはもちろん、投資としても説明がつきます。
屋外球場は設備での解決に限界があります。日没が遅いマツダスタジアムなら、開始を午後7時にする手もある。来季以降、導入予定のピッチクロックで試合が短くなれば、帰宅時間にも大きな無理は出にくいでしょう。
冷房のある休憩所、給水所、日陰の待機列、入退場ゲートの増設も重要です。飲料や冷感用品、ミスト設備はメーカー協賛と組み合わせられる。実際、ベルーナドームにミストを納入した「霧のいけうち」は今季、西武のスポンサーとなり、場内CMも流しています。暑さ対策とスポンサー価値を結びつけた好例です。
NPB球団にとって、チケット、飲食、物販、スポンサーは収益の太い柱です。売っているのは9イニングだけでなく、入場から帰宅までの体験。「暑いのは夏だから仕方ない」では、ファンの財布も足も遠のきます。猛暑対策は親切ではなく、立派な経営戦略なのです。



















