「疎開した四〇万冊の図書」金高謙二著

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<日比谷図書館の蔵書疎開の全記録>

 日本が太平洋戦争に突入したころ、国内では思想統制が強化され、図書館の蔵書の閲覧制限が始まった。アジア諸国では読書会を通して皇民化教育が進められ、図書館を足場に、大東亜共栄圏構想が展開されていく。やがて空襲から守るために、日比谷図書館の蔵書を多摩に疎開させることに。個人蔵の貴重本も買い上げ、都立一中生、高輪商業学校生を動員して、木炭車、鉄道、大八車などで40万冊の疎開を開始する。

 戦中、戦後を通して、思想統制、戦火、駐留軍による没収などから図書を守った人々の記録。
(幻戯書房 2400円)

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