「疎開した四〇万冊の図書」金高謙二著

公開日: 更新日:

<日比谷図書館の蔵書疎開の全記録>

 日本が太平洋戦争に突入したころ、国内では思想統制が強化され、図書館の蔵書の閲覧制限が始まった。アジア諸国では読書会を通して皇民化教育が進められ、図書館を足場に、大東亜共栄圏構想が展開されていく。やがて空襲から守るために、日比谷図書館の蔵書を多摩に疎開させることに。個人蔵の貴重本も買い上げ、都立一中生、高輪商業学校生を動員して、木炭車、鉄道、大八車などで40万冊の疎開を開始する。

 戦中、戦後を通して、思想統制、戦火、駐留軍による没収などから図書を守った人々の記録。
(幻戯書房 2400円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解