フランスで120万部、世界39カ国で翻訳出版 作家D・フェンキノス氏に聞く

公開日: 更新日:

「我々が魅せられるのは理性的なことじゃないのです。この物語は最初は悲劇的ですが、その後、ナタリーは読者が予想もしなかった人物と恋に落ちる。マルキュスの人柄によって悲劇的な物語が喜劇になっていくのです。大事なのは深刻なことを書いていても、本はやっぱり、楽しいものであるということです。私にとって、面白い、笑えるということと文学的な価値が高いということは決して相反することではありません」

 邦題は「ナタリー」だが原作のタイトルは「la delicatesse」、つまり、デリカシーである。繊細な、洗練された、思いやりのある、脆弱(ぜいじゃく)なマルキュスが持っているのがデリカシーなのだ。

「なぜ、こんなに売れたのかって、よく聞かれます。ここまで来ると正直、よくわかりませんが、ひとつの理由としてタイトルがあげられると思います。本が出た頃は世界金融危機が襲いかかり、大変な時期でした。人々は和みや優しさを求めていた背景があります。いまもフランスは何というか、野蛮になっている。世界中で競争が激しくなり、みんなが自分のことばかり考えている。デリカシーとは心遣いです。相手を居心地よくさせ、そうした時間をゆっくり味わってもらう。今は物事の流れが速すぎて、味わう時間がなさすぎますね」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    丸川五輪相“ああ勘違い”空回り 妄言連発に自民からも苦言

  2. 2

    中村アンvs石原さとみ 話題の“ショートカット対決”の行方

  3. 3

    「安心安全とは?」の本紙質問に橋本組織委会長の“迷回答”

  4. 4

    小室圭さんが享受する”特権待遇”は眞子さまとの結婚後も

  5. 5

    厚労省がワクチン“死亡事例”の詳細を公表しなくなったナゼ

  6. 6

    テレ朝斎藤アナ“お泊まり愛”のお相手 TBS小林廣輝アナって

  7. 7

    台湾に激震!アストラゼネカ製ワクチン接種直後に36人死亡

  8. 8

    在台邦人「アストラゼネカ」ワクチン優先接種に戦々恐々

  9. 9

    石原さとみ「結婚」でもキャラ変できず…北川景子との明暗

  10. 10

    小池女帝「都議選惨敗データ」に真っ青…都ファ30減の衝撃

もっと見る

人気キーワード