「山と日本人」宮本常一著

公開日: 更新日:

■山から山へと移住したタタラ師

 日本が高度成長期で物質文化に浮かれているとき、全国をくまなく歩き、地域社会の在り方を模索していた民俗学者の雄・宮本常一。奥深い山に住む山岳民の独特な生活形態を丹念に調べあげ、考察を加えた報告をまとめた一冊。熊やイノシシ、鹿の狩猟で生計を立てるマタギ、砂鉄の精錬にタタラを踏むという重労働を専門にして山から山へと移住したタタラ師。彼らは質素な暮らしでも自然に敬意を払い、独自の信仰や文化を生み出していた。

 こうした山村文化の保存や振興への具体的な提案も記している。
(八坂書房 2000円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?