「東京最後の異界 鶯谷」本橋信宏氏

公開日: 更新日:

■「ラブホテル街と霊園という落差を内包した鶯谷の魅力を探りました」

 JR山手線の、鶯谷駅に降り立ったことがあるだろうか。台東区に位置し、山手線の中で1日の乗降客数がもっとも少なく、“みどりの窓口”もない。そんな慎ましやかな鶯谷が最近、デリヘルの聖地となっている。

「鶯谷駅のホームから山手線の内側に目を向けると、そこに広がるのは上野寛永寺の霊園が広がる厳かな風景。一方、外側方面には、ラブホテルがこれでもかと乱立しています。これだけ落差のある世界を見渡せるのは、鶯谷をおいて他にないでしょうね」

 新風営法の施行で店舗型風俗店が厳しく制限された一方、無店舗型の派遣風俗店、いわゆるデリヘルが急増した。

 本書には、デリヘル嬢へのインタビューの他、客である男たちへの突撃インタビューも載っている。

「男という生き物は、メシを食った後と一発ヤッた後は気持ちが“ほっこり”としているので、心を開いて話してくれましたよ(笑い)。30代後半で妻子持ちの男性は、2万円90分コースの人妻デリヘルで、3回戦をこなしてきたというツワモノでした。多くのサラリーマンにとって、鶯谷は“会社と自宅の通勤圏にない”ところが魅力のようです」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然