「嫌われる勇気」岸見一郎、古賀史健著

公開日: 更新日:

■悩める青年と哲人との対話形式で説くアドラーの思想

 本書は、フロイトが提唱したトラウマなどの原因論を否定し、人間はみな「なにかしらの目的に沿って生きている」とする目的論を打ち出したアドラーの個人心理学の精髄を、悩める青年とそれに答える哲人との対話という形式で紹介したもの。「いまのあなたが不幸なのは自らの手で〈不幸であること〉を選んだからである」「これまでの人生になにがあったとしても、今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない」「自由とは、他者から嫌われることである」……。

 これら哲人の言葉に対して青年は、それは単なる理想論だ、そんな考えをできるはずがないと食ってかかる。一方、哲人は、「世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ〈わたし〉によってしか変わりえない」ことをアドラーの思想に沿って懇切丁寧に説いていく。

 読者もまた最初はアドラー心理学の独特な考え方に戸惑いながらも、読み終えたときには自分を変えられるかも知れないと感じることができる。

 既成概念を取り除かれ、新たな思想に目を開かれたときのすがすがしさは感動的ですらある。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    バタバタNHK紅白 高視聴率でも今田美桜、有吉弘行らMC陣は負担増「出演者個々の頑張りに支えられた」

  2. 2

    松山千春がNHK紅白を「エコひいき」とバッサリ!歌手の“持ち時間”に求めた「平等」の正当性を考える

  3. 3

    「将軍 SHOGUN」シーズン2も撮影開始 2026年は柄本明、平岳大ら海外進出する日本人俳優に注目

  4. 4

    ロッテ前監督・吉井理人氏が2023年WBCを語る「大谷とダルのリリーフ登板は準決勝後に決まった」

  5. 5

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  1. 6

    ロッテ前監督・吉井理人氏が佐々木朗希を語る「“返事もしなかった頃”から間違いなく成長しています」

  2. 7

    矢沢永吉ライブは『永ちゃんコール』禁止で対策も…B'z『客の大熱唱』とも通じる“深刻な悩み”

  3. 8

    《国分太一だけ?》「ウルトラマンDASH」の危険特番が大炎上!日テレスタッフにも問われるコンプライアンス

  4. 9

    巨人オーナーから“至上命令” 阿部監督が背負う「坂本勇人2世育成&抜擢」の重い十字架

  5. 10

    現役女子大生の鈴木京香はキャピキャピ感ゼロだった