「患者必読」新見正則著

公開日: 更新日:

 著者はオペラの「椿姫」をマウスに聞かせると移植した心臓への拒否反応が起こらないという研究で、「人を笑わせ、考えさせる業績」に贈られるイグ・ノーベル賞を受賞した外科医。本書では、思い込みを捨てた柔軟な発想で、現代医学の成果を考察している。

 たとえば、近頃論争が起きているコレステロール値。日本脂質栄養学会はコレステロール値は高い方が長生きで、薬で下げる必要はないという論調だ。一方、日本動脈硬化学会は薬を飲んで下げるべきと説いている。著者は、市場原理が働く社会で“薬を使うな”という前者こそ信頼できると言う。実際、アメリカではコレステロール値の測定すらしなくなっているという。

 医療を受ける前に読んでおいて損はない。
(朝日新聞出版 1500円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  4. 4

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  5. 5

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    ダウンタウン「サブスク配信」の打算と勝算……地上波テレビ“締め出し”からの逆転はあるか?

  3. 8

    1泊3000円! 新潟県燕市のゲーセン付き格安ホテル「公楽園」に息づく“昭和の遊び心”

  4. 9

    永野芽郁と橋本環奈…"元清純派"の2人でダメージが大きいのはどっち? 二股不倫とパワハラ&キス

  5. 10

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ