「ケモノの城」誉田哲也著

公開日: 更新日:

■心の底に潜む闇の奥深さに迫った問題作

ある夏の日、警視庁町田警察署に若い女性から身柄保護を求める110番通報があった。女性の足の指には爪が1枚もなく、全身にも傷ややけどの痕が見られた。女性の名前は香田麻耶、17歳。近所のマンションに閉じ込められヨシオという男とアツコという女に暴行を受けていたが、隙を見て逃げ出してきたという。マンションにヨシオの姿はなく、残っていたアツコを逮捕したが彼女もまた暴行を受けていた。

 事情聴取によって、ヨシオは麻耶の父親から金を引き出させようとアツコと麻耶に暴行を命じ死なせてしまい、死体の処理も2人にやらせていたことがわかった。これだけでも十分に陰惨な事件だが、マンションの風呂場から新たに5人分の血痕が発見され、そのうち4人が血縁関係にあることが判明したことで、事件は尋常ならざる異様なものへと変貌していく……。
 ここに描かれているのは人間とは思えぬおぞましいまでの「悪意」であり、心の底に潜む闇の奥深さである。安易な解釈や解決を寄せ付けない、重く衝撃的な事件の深層に迫った問題作。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    りくりゅう電撃引退も三浦璃来だけ競技継続の「ウルトラC」…ごく身近にも“前例”あり

  2. 2

    りくりゅうペア大逆転金メダルを呼んだ“かかあ天下” 木原龍一はリンク内外で三浦璃来を持ち上げていた

  3. 3

    松重豊がついに引退を示唆し2代目探しに言及…「孤独のグルメ」井之頭五郎を継ぐ有力候補者の実名続々!

  4. 4

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  5. 5

    “激ヤバ”高市チルドレン門寛子議員が大炎上! 国会前ペンライトデモを「ごっこ遊び」と揶揄・嘲笑

  1. 6

    木下グループにアスリート殺到 「社長自腹4000万円」だけじゃない驚きのサポート体制

  2. 7

    “幼稚さ”露呈した佐々木朗希「報奨金事件」…ド軍日本人スタッフ2名が「7000万円超」もらえず?

  3. 8

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  4. 9

    長女Cocomi"突然の結婚宣言"で…木村拓哉と工藤静香の夫婦関係がギクシャクし始めた

  5. 10

    NHKドラマ10「魯山人のかまど」は早くも名作の予感! 藤竜也は御年84歳、枯れてなお色香漂う名演技