「わたしのミステリー」逢坂剛著

公開日: 更新日:

 百舌シリーズ、岡坂神策シリーズ、禿鷹シリーズ、イベリアシリーズなどのミステリーで多くの読者を魅了し、オール読物推理小説新人賞、直木賞、日本推理作家協会賞、さらには今年、日本ミステリー文学大賞も受賞した著者ならではの視線で語られた、ミステリー本の案内書。

 ハメットやチャンドラーといった、自身が影響を受けた海外ミステリーの大御所たちとの出合い、必読の海外警察小説ベスト20、日本ミステリー界で圧倒的な存在感を残した江戸川乱歩作品について、イオリンと呼ぶ藤原伊織との関係、内外ミステリー系の小説の書評など、ミステリー好きなら読みたくなること請け合いの内容となっている。

 さらに、作家の大沢在昌や今野敏、評論家で翻訳家の小鷹信光、哲学者の木田元らとの対談も収録。

 巻末には、本書で紹介されたミステリー本の一覧が掲載されており、サービス精神も満点。本書を通して、ミステリーの思わぬ掘り出し物に出合えそうだ。
(七つ森書館 1800円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  3. 3

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    やす子の毒舌芸またもや炎上のナゼ…「だからデビューできない」執拗な“イジり”に猪狩蒼弥のファン激怒

  1. 6

    羽鳥慎一アナが「好きな男性アナランキング2025」首位陥落で3位に…1強時代からピークアウトの業界評

  2. 7

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    渡部建「多目的トイレ不倫」謝罪会見から5年でも続く「許してもらえないキャラ」…脱皮のタイミングは佐々木希が握る

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」