「モロッコ流謫」四方田犬彦著

公開日: 更新日:

「モロッコは驚異と謎そのもの」と、たびたび訪ねてはその謎を見つめてきたが、謎は深まるばかりで、核心に触れることができないと語る著者による紀行エッセー。高校のときにレッド・ツェッペリンの曲で初めて耳にし、映画でスクリーンを通して見たタンジェの村。ロラン・バルトなど多くの著名人をとりこにしたこの村に長年暮らす作家で作曲家のポール・ボウルズとの交流を追想、その作品について論じる。さらにフェズからマラケシュへと向かうバスに乗りながら初めてモロッコを訪ねたときに知り合った三島由紀夫の弟で大使だった平岡千之との出会いを振り返るなど、紀行と文学論が融合した各賞受賞の名作。

(筑摩書房 950円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  2. 2

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  3. 3

    選挙3連敗でも「#辞めるな」拡大…石破政権に自民党9月人事&内閣改造で政権延命のウルトラC

  4. 4

    11歳差、バイセクシュアルを公言…二階堂ふみがカズレーザーにベタ惚れした理由

  5. 5

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  1. 6

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた

  2. 7

    「デビルマン」(全4巻)永井豪作

  3. 8

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  4. 9

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  5. 10

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学