「九月、東京の路上で」加藤直樹著

公開日: 更新日:

 関東大震災で集団的な朝鮮人リンチが東京の各地でおこなわれていたことは知られているが、中身や実態はよく知らないという人が多いだろう。本書はそこに丁寧な光を当てる。

 錦糸町で、亀戸で、品川で、当時は草深い田舎だった世田谷で「朝鮮人が毒薬を井戸に流した」などの流言が飛び交い、リンチで負傷殺害された。のちに読売新聞の社主となる正力松太郎は、当時、特高警察のトップとしてこの流言を信じ、惨劇を拡大させながらも、その後は口をぬぐって他人事を決め込んだという。事実を淡々と列記しながらも、新大久保育ちの著者の悲しみと怒りが行間から伝わる。

(ころから 1800円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ前監督・吉井理人氏が佐々木朗希を語る「“返事もしなかった頃”から間違いなく成長しています」

  2. 2

    ロッテ前監督・吉井理人氏が大谷翔平を語る「アレを直せば、もっと良く、170kmくらい投げられる」

  3. 3

    矢沢永吉ライブは『永ちゃんコール』禁止で対策も…B'z『客の大熱唱』とも通じる“深刻な悩み”

  4. 4

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  5. 5

    阿部監督のせい?巨人「マエケン取り失敗」の深層 その独善的な振舞いは筒抜けだった

  1. 6

    巨人ドラ1岡本和真 本塁打1本「小遣い1万円」に祖父母悲鳴

  2. 7

    「将軍 SHOGUN」シーズン2も撮影開始 2026年は柄本明、平岳大ら海外進出する日本人俳優に注目

  3. 8

    辰己涼介は楽天残留が濃厚 ソフトバンク東浜巨らFA行使“残り物”たちの気になる行方

  4. 9

    新大関・安青錦に追い風? 八角理事長が看破した横綱・大の里「左肩回復遅れ」

  5. 10

    ブルージェイズ岡本和真に「村上宗隆の2倍」の値段がついたカラクリ