世界各地から若者たちが詰めかけているともいわれる「IS台頭の背景」はなにか

公開日: 更新日:

「イスラム国の反乱」パトリック・コバーン著、大沼安史訳

 2014年の夏、不意に登場したIS。イラク、シリア、クルドの軍隊に戦いを挑み、わずか100日のうちに中東の政治を一変させてしまった。ISの台頭によって長年の宿敵関係にあった米国とイランまでが手を結ぶという、驚くべき事態まで招いたのだ。

 さらにユニークなのは独善的なイスラム主義を頑固に押し通し、同じ宗徒でも自分たちの意向に従わなければ「背教者」「改宗者」としてあっさり惨殺してしまうことだ。自爆を辞さない若者たちを集めた戦闘で軍事的勝利をおさめた指導者バグダディは「アラブ人もアラブ人でない人も……シリアはシリア人のものではなく、イラクはイラク人のものでなくなった。大地はいまやアラーのものだ」と宣言。むごたらしい処刑ビデオをインターネットで次々と公開し、シーア派やクルド人兵士たちの士気をくじいてしまった。

 9・11後、こじつけでイラクつぶしを図ったブッシュ政権の世界戦略を完全に破綻させたのもISなのである。(緑風出版1800円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    「マクドは健康保険と年金に加入できてよかった」 シニアが働き続けるために必要なこととは?

  4. 4

    東京・蒲田の2駅結ぶ蒲蒲線、大田区と地元を取材して分かった実現のハードルと地元の思い

  5. 5

    NHK夏の音楽特番「うたであえたら」は北川景子のMCが見事 カオスと化した近年の紅白はお手本に

  1. 6

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  2. 7

    KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ

  3. 8

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  4. 9

    徳川光圀(1)水戸黄門は全国漫遊などしていない 主に出かけたのは江戸と領地の往復

  5. 10

    永野芽郁がキャバ嬢で「復帰」もM!LKファンやきもき…共演するかもしれない佐野勇斗への“キラー”ぶり警戒