世界各地から若者たちが詰めかけているともいわれる「IS台頭の背景」はなにか

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「イスラム国の反乱」パトリック・コバーン著、大沼安史訳

 2014年の夏、不意に登場したIS。イラク、シリア、クルドの軍隊に戦いを挑み、わずか100日のうちに中東の政治を一変させてしまった。ISの台頭によって長年の宿敵関係にあった米国とイランまでが手を結ぶという、驚くべき事態まで招いたのだ。

 さらにユニークなのは独善的なイスラム主義を頑固に押し通し、同じ宗徒でも自分たちの意向に従わなければ「背教者」「改宗者」としてあっさり惨殺してしまうことだ。自爆を辞さない若者たちを集めた戦闘で軍事的勝利をおさめた指導者バグダディは「アラブ人もアラブ人でない人も……シリアはシリア人のものではなく、イラクはイラク人のものでなくなった。大地はいまやアラーのものだ」と宣言。むごたらしい処刑ビデオをインターネットで次々と公開し、シーア派やクルド人兵士たちの士気をくじいてしまった。

 9・11後、こじつけでイラクつぶしを図ったブッシュ政権の世界戦略を完全に破綻させたのもISなのである。(緑風出版1800円+税)


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