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「今日より明日は少しはマシになる」と信じる希望の思想

「希望の思想 プラグマティズム入門」大賀祐樹著

 ニーチェのいうような「超人」になどなれない平凡なわれら。しかし平凡だからこそ、何かを「正しい」と信じることができなければ先へは進めない。今日よりも明日は少しはマシになるはずと信じる心。「プラグマティズムは、そんな私たちの生を肯定する、『希望の思想』なのである」と著者はいう。

 理性や合理的思考に批判的であいまいな表現を多用するヨーロッパ的な大陸哲学に対して、論理的な整合性や経験的実証性を重んじる英米型の分析哲学。プラグマティズムは後者の流れをくみながらも独自の姿勢を打ち立て、先駆的な大衆社会となったアメリカで独自の発展を遂げる。

 たとえば大衆社会では近代民主主義が理想とした「公衆の参加」など行われず、政治家や公務員や有力者ら「関係者」が政治を動かすと考えられた。しかしプラグマティズムの教育学者デューイは隣人同士のつながる共同体の経験があれば、大衆社会を「大きなコミュニティー」にすることは可能だと考えていた。ここから現代的な共生と連帯の可能性へと進む議論はスリリングだ。

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