失敗しない家庭菜園特集

公開日: 更新日:

「有機・無農薬で家庭菜園」阿部豊著

 どこの誰が作ったのかわからないものより、不格好でも自分で作ったものを食卓に並べたいと家庭菜園にチャレンジする人が増えている。だが、始めてはみたものの、納得できる野菜が作れないでいる人も少なくない。そこで今回はそんな家庭菜園初心者に向けて、土づくりや病害虫対策などの家庭菜園のノウハウから、作ったものをおいしく食べるための加工の仕方までを紹介した実践本を4冊ご紹介!

 家庭菜園に挑戦する人にとって、野菜作りはわからないことだらけ。まして有機・無農薬農業にチャレンジするとなれば、果てしなく続く害虫との闘いや雑草取りに精根尽きた末に、ひとつの品種だけたくさんできて食べきれなくなったり、作った野菜が全滅して畑が空き家になったり……。

 そんな人は、阿部豊著「有機・無農薬で家庭菜園」(家の光協会 1600円+税)の「栽培法の似ている野菜を複数セットにしてひとつのエリアで作る」方法を真似してみよう。複数の野菜を同時に育てるのは難しいと考えがちだが、単一の野菜を育てるより病害虫のリスクを減らすことができる上に、栽培法が似ていれば作業の手間もかからないからだ。

 まずは栽培する野菜は4つのグループに分けること。

 夏の暑さの前に収穫する「春セット」(アブラナ科の小松菜やカブにキク科のレタスやセリ科のニンジンなどをはさんでバランスをとる)、夏から秋に収穫する「夏セット」(トマトやナスなどのナス科とゴーヤやキュウリなどのウリ科とモロヘイヤなどのシナノキ科を混在させる)、秋冬に収穫する「秋セット」(春セットと同様の品種を種まき時期と害虫対策に注意して作る)、春から秋遅くまで畑を占領する「通年セット」(肥料分が少なくても育ちやすいサツマイモ、サトイモ、ネギなど)の4つのグループがそれ。そして、ひとつの区画内で「春セット」→「秋セット」→「通年セット」→「夏セット」として回していく方法だ。

 それぞれの野菜について4人家族に必要な収量から逆算した必要な作付けスペースと株数も明記してあるので、それも参考にしたいところ。たとえばトマトなら4人家族に必要なスペースは1.2メートル×1.8メートルで、そこに6株植えると約90個の収穫が見込めるといった具合だ。

 今まで成り行き任せだったという人も、目からうろこの達人の知恵を知れば、今度こそ畑が生き返るかも!


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  5. 5

    オリックスまさかのドラフト戦略 「凶作」の高校生総ざらいで"急がば回れ"

  1. 6

    ヤクルト2位 モイセエフ・ニキータ 《生きていくために日本に来ました》父が明かす壮絶半生

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    “代役”白石聖が窮地を救うか? 期待しかないNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』に思わぬ落とし穴

  4. 9

    福山雅治は"フジ不適切会合参加"報道でも紅白で白組大トリの可能性も十分…出場を容認するNHKの思惑

  5. 10

    バスタオル一枚の星野監督は鬼の形相でダッシュ、そのまま俺は飛び蹴りを食らった