「世を捨てれば楽になる」北杜夫著

公開日: 更新日:

 2011年に亡くなった著者の傑作エッセーを編んだ作品集。

 肺炎で入院生活を送ってもたばこがやめられず、何とか家にたばこを持ち込もうとする自分とそれを阻止しようとする妻との攻防。老化現象で自己抑制がきかなくなりウナギ屋にカンシャクを起こし、自分でウナギ屋を開いて「あの店をつぶしてやろうと」さえ本気で考えたという話。そして晩年の父親(斎藤茂吉)と過ごしたひと夏の思い出、など。

 老いの境地を語った章をはじめ、芥川賞を受賞した「夜と霧の隅で」の執筆に苦労した体験から身についた「シメキリ恐怖症」などの執筆奮闘記、さらに身近な家族や食にまつわる話題まで、ユーモアに包んでつづられる「マンボウ節」に心の凝りがほぐされる。(河出書房新社 780円+税)

【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網