この本が書くあなたへの罵倒を乗り越えられるか

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「田舎暮らしに殺されない法」丸山健二著 朝日新聞出版 560円

 最近、「移住」が注目されている。移住専門の雑誌が存在したり、日本全国の各自治体が移住者を募るほか、移住生活がいかに素晴らしいものに満ちているかをリポートする「人生の楽園」(テレビ朝日系)が高視聴率を叩き出し続けていることなどに表れている。

 都会で疲れた定年夫婦が田舎暮らしに憧れる気持ちは分かる。ソバでも打って、家庭菜園で新鮮な野菜を作り、地元の人と心と心の触れ合いをしたい――そんな甘美なイメージが「田舎暮らし」「移住」には漂っている。

 2008年に発売された本書(文庫版は2011年)はそういった幻想を根本から叩き潰す本である。筆者は東京暮らしの後、故郷・長野県に戻った経験を持つが、これでもか、とばかりに田舎暮らしがはらむ煩わしさや危険性、陰湿さを述べる。引っ越してきた直後にはウサギの死骸を庭に投げつけられたことなど、悲惨なエピソードを紹介。さらには強盗が襲ってくるから武器を用意し、相手を攻撃せよ、とまで述べるほどである。

 本書のアマゾンのカスタマーレビューを読むと、評価が極端である。★5つや★4つの高評価は多いものの、★1つもそれなりにある。

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