アイデアを引き出すとは、アイデアを書き出すことだ

公開日: 更新日:

「あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか 論理思考のシンプルな本質」津田久資著

 教科書に書いてあることを正確に記憶し(理解しなくてもいい)、1時間半とか2時間の制限時間内に筆記試験に再現する能力に長けた偏差値秀才とは異なるビジネスの実践に役立つ技法について記されている。一級のビジネス書だ。

 津田氏は、〈人が考えているかどうかを決めるのは、その人が書いてるかどうかである。/アイデアを引き出すとは、アイデアを書き出すことにほかならない。少なくとも大多数の人にとってはそうである。これまで人生の中で、真剣に考えた経験がある方は思い返してほしい。あなたは1時間とか2時間、腕を組んでう~んと唸りながら思考をめぐらしていただろうか。そういう人はかなり少ないと思う。/本当に何かを考えたときには、そのプロセスや最終的なアウトプットについて、何かしら必ず書いているはずである。逆に言うと、それがない限り「考えていた」とは言えないのである〉と指摘する。

 津田氏の言うとおりと思う。頭の中で単に思いつくだけでは、「考えた」とは言えないのである。それを書き出してみると、きちんとまとまった思考でなくては、言語化できないことがわかる。裏返して言うならば、思いつきを、意味が通った文にする訓練を繰り返しているうちに、論理的な思考力が身につくのである。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  2. 2

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  3. 3

    選挙3連敗でも「#辞めるな」拡大…石破政権に自民党9月人事&内閣改造で政権延命のウルトラC

  4. 4

    11歳差、バイセクシュアルを公言…二階堂ふみがカズレーザーにベタ惚れした理由

  5. 5

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  1. 6

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた

  2. 7

    「デビルマン」(全4巻)永井豪作

  3. 8

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  4. 9

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  5. 10

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学