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宮城安総工作舎アートディレクター

1964年、宮城県生まれ。東北大学文学部仏文科卒。1990年代から単行本、企業パンフレット、ポスター、CDジャケットなど幅広く手掛ける。

“製本に技あり”のオブジェ本

公開日: 更新日:

 148×250ミリ。束8ミリ。28ページ。カバーなし。特殊上製。「南京装」の翻案だろうか、ソフトカバーの表1・4に2ミリ厚のボール紙を貼り付け、天・地・小口を化粧裁ちした格好だ。無粋を承知で細部をながめると、1枚の紙と見える本文用紙も実は2枚の貼り合わせ。2つ折りにした紙(「折丁」と呼ぶ)を重ね、折丁同士を貼り合わせてある。つまり糸や糊で本の「背」をつなぎ留めるのではなく、この貼り合わせの工程を繰り返して製本されている。「簡易版」ながら、切り絵がすっくと立ち上がるのには、こういうつくりに秘密があるのかもしれない。ちなみに奥付には「バインディングディレクター」の名前が見える。バインディングとは「製本」のこと。

 これからの季節、プレゼントにお薦めのオブジェ本である。(グラフィック社 2200円+税)


【連載】見た目で買った面白読本

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