著者のコラム一覧
宮城安総工作舎アートディレクター

1964年、宮城県生まれ。東北大学文学部仏文科卒。1990年代から単行本、企業パンフレット、ポスター、CDジャケットなど幅広く手掛ける。

“製本に技あり”のオブジェ本

公開日: 更新日:

 148×250ミリ。束8ミリ。28ページ。カバーなし。特殊上製。「南京装」の翻案だろうか、ソフトカバーの表1・4に2ミリ厚のボール紙を貼り付け、天・地・小口を化粧裁ちした格好だ。無粋を承知で細部をながめると、1枚の紙と見える本文用紙も実は2枚の貼り合わせ。2つ折りにした紙(「折丁」と呼ぶ)を重ね、折丁同士を貼り合わせてある。つまり糸や糊で本の「背」をつなぎ留めるのではなく、この貼り合わせの工程を繰り返して製本されている。「簡易版」ながら、切り絵がすっくと立ち上がるのには、こういうつくりに秘密があるのかもしれない。ちなみに奥付には「バインディングディレクター」の名前が見える。バインディングとは「製本」のこと。

 これからの季節、プレゼントにお薦めのオブジェ本である。(グラフィック社 2200円+税)


【連載】見た目で買った面白読本

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"