自民党のメディアコントロールは巧妙だ

公開日: 更新日:

「メディアと自民党」西田亮介著 /角川新書

 政府を批判する人が、メディアから確実に姿を消している。報道ステーションの古舘伊知郎氏がMCを降板し、ニュース23も岸井成格氏がアンカーを降板する。リベラル派のコメンテーターも、ほとんど消えてしまった。

 私は、こうした変化が起きている原因は、消費者のニーズが変化したからだと考えていた。テレビ局も商売だから、もし視聴率が取れるなら、多少の批判があっても、必要な人を使うからだ。

 ただ、本書を読んで考えが変わった。自民党は、国民の意識を変えるようにメディアをコントロールしているのではないかと思うようになったのだ。

 しかも、そのコントロールの仕方は戦前のプロパガンダのようにウソを並べるのではなく、法令に違反するのでもない。実に巧妙に、メディアが「自主規制」をするように追い込んでいるのだ。

 例えば、安全保障関連法案の審議がヒートアップをするなかで「朝まで生テレビ!」に与党の議員を出演させなかったり、番組構成を無視して安倍政権を批判した元通産官僚の古賀茂明氏の謀反について、テレビ朝日を呼びつけて事情聴取をするといったやり方だ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手