「蛮政の秋」堂場瞬一著

公開日: 更新日:

 新聞社の社会部記者・南に舞い込んだ情報提供のメールに、大手IT企業から与党議員への違法献金と思われるリストが添えられていた。リストに記されているのはメディア規制法案に積極的な議員ばかりで、同社による政界工作の可能性が高い。前任地の山梨支局で誤報事件を起こした南は、起死回生を狙いながらも慎重に取材を進める。やがて、メールの発信者と思われる人物が1週間前に失踪したことが分かる。

 同じころ、野党の2世議員・富永も同じリストを入手。選挙を前に、与党にダメージを与え、名を上げたい富永は、予算委員会でリストに名がある与党幹部を追及するが……。

 虚実が入り乱れる政界・メディアを舞台にした社会派小説。(集英社 1800円+税)


【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み