「小説 外務省Ⅱ」孫崎享著

公開日: 更新日:

 2013年秋、外交官の西京寺はイラン大使館への異動を命じられる。尖閣問題で、「日中間に棚上げの合意はない」という政府や外務省の見解に背いた発言を内外に発信してきたための左遷人事は明白だ。出発の準備を進める西京寺に米国大使館のドレズナーが接触してきた。前年、西京寺は米国の意向に反した鳩山元首相のイラン訪問を支持した。そうした事情を知りながら、ドレズナーは米国とイランの関係改善のための協力を求めてくる。それが国益になるとの確信を持つ西京寺は赴任後、ドレズナーの指示を受け、歯科医のルクサナを訪ねる。

 元イラン大使が世界の情報戦の現実と日本外交の無為無策を描いたノンフィクションノベル。(現代書館 1600円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?