「玉依姫」阿部智里著

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 主人公は、両親を交通事故で亡くして、祖母と暮らしている高校生の葛野志帆。そんな志帆の元にある日突然、伯父を名乗る男が現れる。伯父が10歳のとき、祖母は志帆の母の由美子だけを連れて山内村を飛び出したというのだ。

 祖母に真偽を確かめるものの、祖母は伯父の言うことを聞いてはいけないと繰り返すばかり。せめて祖父の墓参りに来てほしいという伯父の願いを聞き入れ、志帆は祖母に内緒で山内村に向かう。村人の猛烈な歓迎に戸惑う志帆は、ようやく自分が恐ろしい儀式に巻き込まれたことに気づき、逃げようとするのだが……。

 本書は、「烏に単は似合わない」「烏は主を選ばない」「黄金の烏」「空棺の烏」に続く大人気「八咫烏」シリーズ最新刊。本作では山内村で繰り広げられる怪物の攻防に女子高校生が巻き込まれ、その異界の謎の一端が明かされる。史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞しデビューした、著者独自の和風ファンタジーの世界が楽しめる。(文藝春秋 1500円+税)


【連載】週末に読みたいこの1冊

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