「死者は語らずとも」フィリップ・カー著、柳沢伸洋訳

公開日: 更新日:

 1934年、元刑事のグンターは、ベルリンの高級ホテル・アドロンの警備員として働いていた。ある日、グンターはオーナー夫人から、アメリカから来た友人のシャラランビーディス夫人の手伝いをするよう頼まれる。作家の夫人は、アメリカが2年後に迫ったベルリン・オリンピックに参加表明したことに憤慨。ドイツでの人種差別の実態を取材して記事を書くつもりだという。

 夫人は、ユダヤ人が殺された事件の捜査が放置されていると聞き、興味を示す。ボクシング選手と思われる被害者の身元を調べ始めた2人は、やがてオリンピック会場建設に関する不正にたどりつく。

 英国推理作家協会賞を受賞したハードボイルド・ミステリー。(PHP研究所 1400円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理