「豆大福と珈琲」片岡義男著

公開日:

 コーヒーは、間違いなく成熟した大人の飲み物である。それを改めて感じさせる短編小説集だ。新聞で連載した表題作「豆大福と珈琲」では、洒脱かつ合理的な男女関係が描かれている。深煎り豆のコーヒーに豆大福は好相性という暗喩はすてきだ。「穏やかに、たおやかに、でこぼこしている豆大福」は魅惑的でエロチックでもある。コーヒーは距離を縮めるスパイスである半面、一定の距離を保つアイテムでもあると痛感。男女の心の機微を描く名手が紡ぐ全5編だが、最後の1編には小さな仕掛けも。

 できれば、コーヒーの香りが漂う喫茶店で読みたい。(朝日新聞出版 1700円+税)


日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    突然の引退劇…貴乃花親方“お涙頂戴会見”のウソ八百<上>

  2. 2

    悪いのは告発女性? バナナ日村「淫行」同情論への違和感

  3. 3

    CS進出の可能性も…DeNAラミレス監督“オリックス就活”情報

  4. 4

    ファン心配…築地「吉野家1号店」営業終了で店長はどこへ

  5. 5

    安倍首相が怯える 近畿財務局“森友キーマン”証人尋問Xデー

  6. 6

    突然の引退劇…貴乃花親方“お涙頂戴会見”のウソ八百<下>

  7. 7

    「黄昏流星群」も フジドラマ放送前に打ち上げ続々のワケ

  8. 8

    明々白々…アベシンゾー氏の夢は「大日本帝国をもう一度」

  9. 9

    消費税撤廃に続き…有言実行のマレーシア首相が反原発宣言

  10. 10

    大坂なおみが目指すWTAファイナル “超VIP待遇”の仰天全貌

もっと見る