「近代天皇論」片山杜秀氏

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 生前退位を求める昨夏の今上天皇の「お言葉」は、「天皇は神なのか、それとも人間なのか」という究極の議題をあらためて日本国民に投げかけたといえる。国家神道研究の泰斗である宗教学者・島薗進氏との共著である本書では、戦前右翼思想を熟知する政治学者の片山杜秀氏と、島薗氏とが対論する形式で、この問題を幕末まで遡って読み解いている。

 片山氏は「お言葉」について、「『戦後民主主義にかなう象徴天皇のあり方とはこれだ』、として天皇自らが原理原則を示した」と解釈したという。本来、民主主義は共和制が自然な形ではあるが、日本は民主主義と矛盾しかねない天皇制を戦後も維持してきた。

「今上天皇ほど、戦後民主主義に天皇制をそぐわせるためにはどうしたらいいのかをまじめに考え抜かれた人はいないでしょう。今回、ある程度まとまったご意見を、『お言葉』で婉曲的ながらも示された。『お言葉』は明らかに昭和天皇の『人間宣言』を意識して書かれたものです。だからこそ今上天皇は、園遊会や被災地訪問など国民との触れ合いを大事にする。それができなくなれば、天皇を続けるのは無理だと、『人間』としておっしゃったのだと思います」

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