「落語推理 迷宮亭」山前譲編

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 大晦日、高層ビル街でタンチョウヅルが目撃される。同じ日、都内の高級ホテルの「鶴の間」でささやかな独演会を催していた落語家の破鶴が高座中に死ぬ。かつて一世を風靡した破鶴だったが、喉頭炎の悪化で引退に追い込まれ、その日が最後の高座だった。師匠・円葉ら5人の招待客を前に、破鶴が生涯最後の演目に選んだのは古典の「盲目かんざし」。声が思うように出ない破鶴は、二人羽織で噺を見せる芸に仕立て直し、弟子の小鶴と演じていたが、その迫真の最後の場面で、突然、明かりが消え、気が付いたら破鶴が死んでいたという。(連城三紀彦著「変調二人羽織」)

 他7編、落語を題材にした作品を集めたアンソロジー。(光文社 880円+税)

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