「テロメア・エフェクト」エリザベス・ブラックバーンほか著、森内薫訳

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 染色体のDNAの端にはタンパク質でできた保護キャップのようなものが付いており、DNAの束を守る役割を果たしている。これは「テロメア」と呼ばれ、加齢とともに短くなることでDNAの束をほつれさせ、私たちの老化や寿命を左右している。

 これまで、テロメアが短くなっていくことに生き物はあらがえないと考えられてきた。しかし近年の研究では、生活習慣次第でテロメアを保持したり、また伸ばすことすら可能であることが分かってきたという。

 テロメアにとって良い効果が期待できるのが、運動だ。運動によって酸素を多く取り込むと、テロメアに悪影響を及ぼす活性酸素が体内で一時的に増える。しかし、同時に抗酸化物質の生産も活発化し、やがて細胞を健康な状態に保てるようになる。テロメアの保持にも役立つというわけだ。

 ただし、ハードなトレーニングは抗酸化物質の生産が追い付かなくなるため厳禁。会話が可能な程度の速さで週に3回40分間歩いたり、3分速く走って3分遅く走るインターバルトレーニングなどもお勧めだ。他にも、テロメアによい食事睡眠も紹介。寿命を決めるのは、あなたの心がけひとつだ。
(NHK出版 2300円+税)

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