数学の力を借りれば運命の相手が掴まえられる!

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 男女関係のあらゆる問題を、数学を用いて解明しようと試みているのが、ハンナ・フライ著、森本元太郎訳「恋愛を数学する」(朝日出版社 1300円+税)である。人間の感情は数学とは違い、数式通りに事が進むばかりではない。しかし、男女の問題に対して数学が無力というわけでもない。なぜなら、数学を突き詰めるとそれは、“パターンの研究”であるためだ。

 天気予報から宇宙の法則まで、数学はあらゆる現象を予測するのに役立つ。そのどれもが、一定の法則に従うものであるためだ。そして、男女の恋愛もまた人生で起こる多くの出来事同様に、パターンに満ちあふれている。そのため、数学を用いた予測が可能なのだと、数学者の著者は語る。

 たとえば、“最高のパートナー”を掴まえるための行動も、数学の力を借りて導き出すことができる。生まれて初めて恋人ができる年齢を15歳、身を固める年齢を40歳と仮定して考えてみよう。その間、何人かの相手と付き合うことになるが、どれが運命の相手かを選ぶには、数学の「最適停止理論」が役立つ。ある行動をするときに、もっとも効果的な結果を出すための最適なタイミングはいつかを導き出す、数学の一分野だ。

 この理論を用いて数式に当てはめてみると、15歳から40歳までの25年間のうち、前半の37%、つまり24歳を少し過ぎるまでに付き合う恋人は、全員振るべき。そして、“お断り段階”を過ぎた後に現れた中から優れていると感じる相手を選ぶと、その人が最高のパートナーである確率が非常に高くなるそうだ。

 夫婦が幸せな関係を維持できるか否かも、数学によって解き明かすことができる。リビングにカメラをセットし、夫婦で言い争いになりやすいテーマに関して15分ほど話す様子を撮影。終わったら再生し、討論の様子を感情のカテゴリー別に採点していく。

 険悪なムードになったときに、侮蔑するような態度を取っていたらマイナス4、ユーモアで回避していたらプラス4といった具合だ。このスコアや相手への態度を数式に当てはめると、離婚のリスクもはじき出せると本書。

 数学、侮りがたし。

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